▼ 第2夜 「謎の軍人」


貴族同士の社交場なんて行った事も無いサユリな為、高価なドレスなど持っている筈も無くカイリから借りる事となった。
しかしメルリウム軍事施設に来る際、そういったドレスなどは任務などで使用しないだろうと思い、
ここに調達はしていないことに何気なく思いだした現状・・・
現在カイリ達は、一旦カイリの住んでいた「別荘」へと向かうべく、
エルファーでシルヴェスの地下トンネルから「キルス」へ移動していた。

エルファーとは乗り物の部類で、風力を利用し機体を浮上させ移行する優れた乗り物。
優れ物だからとはいえ、やはり欠点はあった。
風力を放出するのはいいのだが、この風力の調整が難しい・・・
サユリが運転したら風力の力量なんて考えず、全力で放出する為事故などおきかねない。
事故擦れ擦れな経験を何度もしたカイリはその運転に耐えきれず、
貴族間では習わないエルファーの運転免許などを所持するはめとなっている。
なので今も運転しているのはカイリである。

「まさかキルスに帰るなんて思わなかったわ・・・」

地下トンネルの青い光が交差する中、カイリはぼやいていた。
伯父達が嫌なあまりウォルトの別荘が1つ空いているとのことでそこに移り住んでいたが、
軍事施設に入会する際に家出同然の如く出た為色々気まずい気持ちであった。 そんなカイリだが横でタメ息をつくサユリに気配りするはめになる

「んで、サユリどしたの」

「さっきのメッセージ内容見ましたよねぇ?見ましたよねぇ??」

さっきのメッセージ内容とは、グランが出た際にサユリに送信したメッセージの事。
メッセージだとグランの意思に関わらず、あんな内容のものが多い。
のだが、先程まで痴話喧嘩していたサユリにとっては、かなりいらついたらしい

「なにが「任務を遂行するように♪♪」ですかぁあ!!!
意味不意味不意味不意味不ぅう!!!帰ったら絶対殴って蹴って階段から突き落とす」

「仮にも恋人って事忘れないでね??」

逆にタメ息つきたくなるカイリだが、他人事でタメ息つくのもなぁ〜っと思いつつエルファーの操縦をする。
「しかも♪二つもいらないでしょぉ!?」と尚話すサユリを長し、トンネルの奥を見つめる。 トンネルはまだまだ長く、出口の様子はまったくない。
するとエルファーの操作確認画面から、何やらニュース画面へと一瞬にして変わった。

「ん?」

【先程、ユーリア軍事施設管理長の代行として務めていたユリア=マーテル様が、
正式な管理長として任命されましたことを御知らせいたします】

「え、まじ?」

不機嫌なままだがサユリはそのニュースに反応した。
ユーリア軍事施設の管理長は代々からエルフが任命されており、どういう訳か女性が管理長になることが多い。
ちなみにユリアとサユリは結構親しい関係らしく、疑い深くサユリはそのニュースを見ていた・・・
親しくなった訳は元々メルリウム軍事施設管理長グランと、ユーリア軍事施設元・管理長ユシアは仲が良かった為、
ユーリア国に来る度サユリも同行していたのだ。

ちなみになぜユリアが代行だったのか。

それはユリアが「ハーフエルフ」だったからだ。 代々からエルフが勤めていたユーリア軍事施設をハーフエルフがやるという問題に、結構反発する人が多かったからだ。
異端者として忌み嫌われるハーフが・・・っという人も少なくは無い。
けれどユシアの子孫はユリアしかおらず、その反発にも負けず今日まで頑張ってきた結果。
やっとで正式に任命されたらしい

「ユリアさん、頑張っていたものね・・・でもこれから大変そう」

ユリアが管理長になったはいいが、きっとしばらくは反発の方が多い事を考慮した。
親しい友人が心配でたまらないサユリは、眉間に少し皺をよせながらも無理に笑顔を作ろうとしていた。

「まぁお人好しですしねぇ〜・・
差別とか無くすのに精神注ぎそうですよぉう」

ニュース画面が閉じ、またエルファーの確認画面が閉じても、話題を引きずっていた。
軍事施設関連のニュースとなると、たとえ短いものでも速報で流すのが軍事制度。
良いニュースならいいのだが、戦争や紛争が頻繁な時はそういうニュースも速報されていて、
盛り上がっている時に流された時は最悪な気分になる。
この速報をやめるかやめないかなどもあったらしいが、
あった方が良いという判決になり、今も日常茶飯事に流されている。

「ノルウェーもさっさと管理長交代すればいいのにぃ・・・
メルリウムだって30近いけどグランは若いでしょぉ?
ユーリア軍事施設管理長だって26らへんのユリアでしょぉ?
んでもってオルゼルス軍事施設管理長ジュンも21の若さでしょぉ??
ノルウェーだけ50後半のじじぃとかKYにも程がありますのよねぇ?」

「私にふらないでくれるかしら」

たしかに新しい軍事制度として戦争を無闇に起こさないと発令同時に、
管理長交代もよく見られる。新しい世代に任せようという管理長達の願いだろう。

「でもノルウェーは権力に飢えているから、当分の間管理長交代しないと思うわ」

「あぁ・・・嫌ですねぇ〜。そのせいでレンリア軍事施設の評判下がって、
軍人達も冷酷になっているっていうのにですねぇ」

数分サユリがノルウェーの愚痴を言っていると、トンネルの青い光の他に太陽光が外から流れ出た。とうとう出口のようだ。
出口へと向かうとそこには白い建物の風景などなく、殺風景な灰色や茶色などの建物が立ち並び、貴族達が優雅に歩いていた。
その光景には貧民などがこきつかわれたり、売買されたりなどしており、サユリは黙ってうつむく事しかできなかった。

「・・・だからココ嫌なのよ・・」

「それ同意ですぅ」

エルファーの促進を若干上げると、その場から逃げるようにカイリの住んでいた住宅地区へとエルファーを向かわせた・・・
移動するまでの間、貧富の差を見せつけられたサユリは顔色悪く、
愚痴を言う元気や気力など失せたのか・・・黙ってただ俯いていた。
キルスは他の地区よりも貧富の差や差別が激しく、餓死などは当たり前に等しい。
サユリも一応貧民育ちな為、このような光景を見ると嫌な出来事を思い出すらしい。
その過去は決してカイリにはいわないが、グランは知っている様子・・
やはりキルスは自分一人で良かったかもと、しみじみ思うカイリであった。

しばらくすると静かな所へとつき、そこには大きな屋敷が建っていた。
茶色をベースにした屋根は童話などに出そうな家であり、新品同様な窓やドアノブは光が反射して眩しく見える。
二人はエルファーから降りると、屋敷へとさっさと入り、元々カイリの寝室だった部屋へと階段を上り入った。
誰も立ち入っていないはずなのに階段やタンス、ベット、床、
天上は綺麗に磨かれており、カイリがいつでも帰って来れるようにしてあるかのように、綺麗に設備を整えてあった。
そんな気遣いもお構いなしにカイリは雑に入り、寝室にあるクローゼットから幾つかドレスを出し入れして
「これかなぁ?」とかいいながら、サユリのドレスを見立てていた。

「ねぇサユリ?これとこれどっちがいい??」

「ふぇ?」

少々まだ落ち込み気味だったサユリにそうふると、当たり前驚いた様子で返答。
カイリが片手に持っているのは、オレンジのベースに黒や金箔などが散りばめられ、
袖などには美しい魔物の毛皮で作ったファーが飾られていた。
胸元まで開いており、結構大胆な衣装だ。
もう片手には青をベースに白や銀が宝石のように輝き、露出は低いものの、首元にかかるヴェールが煌びやかに輝いている。
ファーなどの装飾が無い代わりに、1つの生地でつくられた蓮華や薔薇が
スカート部分に一つ一つ細かく再現され、コルセット付きの衣装だ。

「なんでこんな派手なものチョイスするんですかぁあ!!??
もっとシンプルでカジュアルなものってないんですかぁあ!!!」

「あとはもっと派手なんだけど?」

無表情で答えるカイリを見つめ、「まじで」としか言えないサユリ。
カイリの漁っていたクローゼットの中をすぐに覗くと、王族が着そうなものやパーティーなどでありがちなものがずらりと。
なぜかほとんどのものが大胆なものだ・・・

「・・・先輩趣味おかしいですぅ」

ぎこちない敬語になりそうになりながら、ぎこちない笑みをして見つめる。

「まぁ・・・失礼ね、兄様が選んで買って下さったのよ」

「お兄さんの趣味が変態丸出しじゃないですかぁあ!!!」

先程まで落ち込み気味だったが元気を取り戻したサユリにクスクス笑うカイリを見ると、
サユリも微笑ましくなったのか笑顔になってくれた。
結局ドレスはカイリが持っていたオレンジをベースにしたものにした。
理由はパーティーなのに寒色は無いだろと言い、穏暖色のオレンジにしたのだ。
大胆な服装に愚痴を零すサユリだが、「了解ですぅ」と承諾した。
ドレス以外にもバックやアクセサリーなどをカイリは物色し、サユリに合いそうなものを探し当てていた。

「これは?」

「派手ですってぇ」

「んじゃこれ」

「もっと派手じゃないですかぁあ!!!」

そんな会話しか聞こえないドレスアップだが、少しは気分を紛らわせたかなっとカイリは密かに感じていた。
選んだものを一度サユリにつけさせると、それを通信カメラで撮る

パシャ
「え?」

音が鳴り終えると同時に慣れない服だが振り返るサユリはやはり変な顔をしていた。
何を思ったのかカイリはグランにそのデーターを送った。

「カイリ先輩ぃ・・・」

「大丈夫よ、きっと」

グランに送った後、サユリがげんなりした顔で見つめると、1分も経たないうちに返信が帰って来た

【ちょwwwwwwワロスwwwww何大胆してんのwwww18のくせにwwww
会議中なのにコーヒー落したんだけどどうしてくれんのwwwww】と多数の「w」

「うがあああぁあぁ!!!!ムカつくぅ!!!
グランの馬鹿ぁぁぁああああああ!!!!!」




しばらくグランに対するサユリの愚痴を聞いて外に出ると、なぜかエルファーの姿が見当たらない。
っが呑気にカイリは「あぁ・・住民にとられたわね」っと呟くと、「今日は一旦宿にいきましょぉ」という事になった。
なぜ二人共動揺しないかというと、貧富の激しい区域ではこんなのは当たり前。
とられて腹はたつが、エルファーを放置した自分達が悪いと解釈。
それにカイリもサユリもそういう人達に取られて腹が立つよりも、それを使って生活を良くして欲しいと思っている。
ある意味慈悲深いのか・・・それともそういう考えが当たり前となってしまったのか。

空いている宿を探すべく、街を歩いていると・・・

「あ、先輩ぃ」

「どうしたの」

いきなり止まったサユリに振り返ると、サユリが何やら指を指していた。
首を傾げながらサユリの元までゆくと、指のさされた場所を見る。

「あれって・・・・」

「あ・・・・」

納得した二人の目の前に、堂々と盗まれたエルファーの姿。
盗まれた事より、盗んだものをこんなに堂々と置く事に驚いていた。
そして見知らぬ貴族夫婦がのうのうとエルファーから降りてきた。

「え、盗んだの貴族ぅう!!???」

「声がデカイ!!!」

あまりの衝撃にサユリが大声でそういうと、カイリがしぃっと言ったのも虚しく、
下りてきた貴族と目線があってしまった。

「あら?聞きづってならない単語を聞いたのは気のせい?」

「うむ・・」

「単語に反応する=認めたって解釈でいいですかぁ?先輩ぃ」

貧民ならまだしも貴族という点で更に怒りを覚えたらしく、サユリは糸目でカイリに問いかける。
その問いに悩んでいるカイリをおき、アッサリ貴族の女の方が言う

「下民の物を使っているだけでありがたいと思いなさい」

「うがああああ!!!!!!!!!グランよりムカつくぅう!!!!
下民ってなんですか!!下民ってぇ!!!」

「下民に下民と言って何が悪いの?」

婦人は扇を取り出して仰ぎながら小馬鹿にしている

「貴方達、貴族という身分で盗人を働くなんてみっともないわよ」

とカイリが積極的に強い口調で言ってみるものの

「みっともないのはどっちかしら?」

と言い返された。面と向かって話しているのに、なんでウォルトの人間だと思わないのか・・・
カイリに対するこの貴族の態度に、サユリは声を荒げて講義

「あのですねぇ!!貴方の盗んだエルファーはぁ!!!
ウォルト家直属のものでありましてぇ、カイリ=ウォルトの所持物なんですけどぉ!?」

「サユリ・・・直属でもないし私のでも無いわよ。借り物よ」

さすがにそんなことを大声で荒げて言うと、周りから「ウォルト家の?」
「ウォルト様のを?」という声が上がった。っが・・・

「どこにそんな証拠あるのかしら?」

「はいぃい!!??貴方の眼は節穴ですかぁあ!?
緑の瞳ですよぉ!!!豚でもわかりますよぉこのぐらいぃ!!!」

「確かに緑ね。だけどカラコンで誤魔化しているかも知れないわ?」

この口調や風柄からしてカイリは明らかにこの貴族とは「面識がある」と自覚をした。
幾ら他人どいえども、貴族間の間で社交世辞とかなどで幾度か挨拶を交わせば覚えられるカイリ。
しかもウォルト低でも何度も・・・それでこんなふうにしらばっくれるのはわざとだろう。
ウォルト家の物を闇ルートで売れば、結構な高値で売れる。
この貴族はきっとこのエルファーを売ろうとしているのだろうか。

金目的か・・・・と、一緒の貴族として呆れる事しかできないカイリに留めをさす一言

「私は一度、カイリ=ウォルト様を見た事がありますが、こんな下劣ではありませんでしたわよ?」

「げ・・・・」

この一言にかなり傷付いたらしく、カイリは落ち込んでしゃがみこんだ。
確かにウォルト低にいるときはドレスを着飾って、目上に対してこんな態度はしなかった。
軍事施設では任務とかでそんなオシャレの余裕もない。
ましてや着飾って遂行しようとしたらそれこそ足手まといだが・・・
「下劣」まで言われるとさすがに・・・

「ちょお!??」

「では私はこれで」

と勝ち誇った笑みで、エルファーに乗ろうとした時。

---------------パリンッ

女の髪を飾っていたガラスの髪飾りが、地面におち、落ちた衝撃で粉々になった。
それは本当に一緒の出来事で、両者何があったかわからずにいた。
サユリはというと、やったわけではないが「ざまぁww」と小声で言っているのが聞こえたが、
カイリはあえてそれを聞かなかった事にした。
婦人の方もわからず首をかしげていたが、バランスを失った髪が婦人の肩へとだらり落ち、
それでやっとで自分の髪飾りだと気付き喚きだした

「はいは〜〜い、そこの山姥??言いがかりももう少しまともにしなよ」

そういってカイリ達の後ろから杖を片手に持った男性が妖しい笑みを浮かべながら現場に来た。
よくよく見るとその服装からして・・・

「・・・軍人?」

黒い髪に黒いサングラスをかけたその人は、赤い軍服を身にまとっていた。
赤い服には軍の紋章らしき紐止めワッペンがあったが、その紋章はカイリ達の見た事ない紋章であった。

軍人が私物を壊したという現状を理解すると、
婦人は先程の落ち着いた口調とは変わり先程のサユリ見たいに声を荒げた。

「軍人の分際で何するのですか!!???」

「その軍人の分際に守られておきながら、よくも大口をたたけるなぁ〜?
けばい、や・ま・ん・ば」

わざと口をハッキリと、その強調したい部分を楽しく弾ませながら紡ぐ。
ウォルトっというのに反応して立ち止まっていた人達も、軍人沙汰になったということでその場からざわつきながら去っていた。

「誰が山姥ですって!!貴方どこの施設の軍人!!??その施設事潰してやるわ!!!!」

「そんなに名乗って欲しいのか??たかが軍人に」

会話からするとこの人物はどうやら、こういったことが好きなのか。
いかにも楽しそうなオーラを出し・・・そして今も楽しそうににこやかに笑っていた。
すると軍人は婦人を無視し始めると、丁度後ろで落ち込んでしゃがんでいたカイリに手を差し伸べた

「アンタもいつまで座りこんでんだぁ?さっさと立ちな」

落ち込んでいた目線を上にあげると、黒髪の男の顔が目に映る。
目は完全にサングラスで遮断されており、どんな目つきか色かわからない。

だが男がカイリと目線を合わせると同時に男の顔から笑顔が消えた

「アンタ・・・ウォルトの人間なのか?」

やばい・・・!直感でカイリはそう思った。

なぜ貴族が例外を除き強制的に軍事として入会させられないか、それはその権力によっては人質にされるからだ。
しかもどこの軍事施設所属かわからない軍人に素姓がばれた

「その瞳、カラコンかもしれないわよ?」

とまだしらばっくれる様子の婦人。さすがに夫の方は呆れて物言わぬ状況だ・・・
婦人の話は無視し、男は表情を変えず問いただす

「・・・ウォルトだろ?」

サユリがヤバいっと思っているが、逆に他者が拒めば「認識」したと思われる。
どうファおローするか迷い、カイリも答えに悩んでいた時、婦人達は逃げるようにエルファーに乗り機体を浮上させていた。

「あぁ!!!!!カイリ先輩、エルファーがぁ!!!」

「・・・え!?あの婦人達、そのまましらばっくれるつもりね!!!」

「カイリ=ウォルト・・間違い無いな。やっぱりあの人の・・」

と男がぼやいたと思えば、魔陣を展開させた。
「え?」と、サユリの間抜けな声が風の音で切り裂かれる。 いきなり魔陣を展開させた為、何をやらかすかと思うと・・・

「我に使えよ、風の精霊!派手にぶっ飛ばせぇ!!!」

「「ぶっ飛ばしたら駄目でしょぉおがぁああ!!!!!」」

二人の拒否も虚しく、展開された魔陣から風の精霊が降臨した。
緑の髪をした女性は静かに指を鳴らすと、浮上していたエルファーが放出していた風が、
一気に無と化しそのまま落ちる形となった。風の精霊はそのまま魔陣へ消えた。
ガシャンと乱暴に落ちるものの多大な被害にはなっていない模様

「ったく〜・・弱小魔術、俺苦手だからどうなるかと思ったけど。とにかく結果オーライ??」

「なにが結果オーライよ・・・」

偉そうにする男にそう呟くと同時に警備員がかけつけた為、カイリ達は男から視線を外してその光景に移した。
エルファーに乗っていた婦人達をすでに捕えられていた。
サユリが「ざまぁwww」と言っていたのはさておき、 どんな形にせよエルファーは盗まれずに済んだ為、男にお礼を述べようと振り返ると・・・

「あれ?」

「どうしましたぁ??先輩ぃ」

男の姿はすでに跡形も無かった・・・ただカイリが不審に思った事が1つだけあった。
サユリがカイリの本名をさらしたとき「やっぱりあの人」のという単語。
あの人って?という疑問を胸に抱きながら、男のいた場所を見ていた。

男が建て物の上から傍観しているとは気付かずに

「やっぱり・・・外見の雰囲気も似ているし」


やっぱりウォルト・・・・カイリ=ウォルト